発達障害のお子さんを持つ親御さん(特にお母さん)は、うつ病あるいはうつ傾向にあるということが複数の研究結果でも明らかになっています。論文もたくさん出ていますよね。
それでも
「みんな大変なんだから頑張ろうよ!」
とか色々言われてきた親御さん、たくさんいませんか?
メンタルヘルスが損なわれる原因は様々なのですが、掘り下げると
「子供に障害があるから」という単純なものではないのです。
障害のある子供が産まれたことに誰も悪くない。ハンデキャップのあるお子さんを持つ親御さんは人1倍頑張っているし、お子さんも生きづらさがある中頑張って生きています。
その頑張っている人たちがメンタル崩壊してしまうのは辛過ぎる。障害のあるお子さんと親御さんにも楽しく幸せに生きて欲しい、そして身近にいる方で力になれる方や配偶者の方で思い当たる節があれば少しでも心に留めて頂けると嬉しいです。
障害児育児でメンタルが崩壊する原因は?
障害児育児でメンタルが崩壊する原因を私なりにまとめてみました。
1.障害は『治らない』という事実
自閉症などの発達障害は薬で治る病気ではなく、先天性の脳の機能障害なので一生『治る』ことはありません。
お薬で生きづらさを和らげたり、療育やリハビリで生きていくための訓練で順応していくことはあっても『治る』ものではありません。
この事実を突き付けられた時の衝撃は、多分みなさん、奈落の底に落とされた感覚だと思います。
2.障害者=マイノリティであるため理解者が少ない
障害者は定型発達や健常児に比べると圧倒的なマイノリティ(少数派)です。よって、単純に理解者が少ないのです。
私も息子の障害が分かって療育センターで同じ境遇のママさんに出会うまでは暗闇の中を彷徨っているようでした。うちは診断が降りてから療育センターの早期療育科に通うまで10ヶ月くらいありました。。。果てしないですよね。
なかなか友人や親族にもこの状況を理解してもらえない、ということです。
3.定型児との比較と外野からの心ない言葉
発達に遅れのある子のママさんは、こんなことを言われ続けることが多いです。
「まだ○○出来ないの?」
「たくさん話しかけてる?」
「絵本をたくさん読んだら喋るようになるよ!」
「しつけがなってないんじゃない?」
これ本当に言われてきた親御さん多いです。
4.育児ではなく介護が続く感覚
育児にはどこかで終わりがきます。
定型のお子さんであれば、小学1年生くらいでお留守番も出来ます。
自分のことも自分で出来るようになります。
障害の種類や程度にもよりますが、障害のある子供は基本1人には出来ません。
身辺自立が難しいお子さんもいます。
これは育児ではなく介護です。
養育者が休む時間がありません。
特に発達障害のお子さんは睡眠障害のある子も多いです。眠れません。
基本的な欲求が満たされないことが多いのです。
5.パートナーの無理解による孤独感
障害のある無しに関係なく、子育てについては主な養育者(お母さんが圧倒的に多い)に負担が偏ってしまう傾向があります。
子供の通院、療育、幼稚園や就学先など進路について、お母さん1人で抱えてしまうことが多いです。(シングルの方がいらしたら本当に甘っちょろいと思われるかもしれませんが…。すみません。)
障害について勉強したり、子供の療育に行ったり、進学先について調べたり、多分普通の子育てとは違います。
1人で悩んでそれを共有出来ずに「孤独」になってしまう。
夫婦なら夫婦で一緒にやれば良いのです。
何が辛かったって、私はこれが一番辛かった。
息子が自閉症である事実よりも主人がノータッチだったこと。
自ら動くことはないし問題が起きても特に対処しようとしないし、療育に関するものを作ったり準備するのも全部私。障害に関する勉強もしない。勉強もしないので、息子への対応を共有するにも時間がかかる。そして、見て見ぬふりをする。
多分、1〜4の理由よりもここが一番。
これを夫婦で共有出来ればもっと前向きになれるし頑張れる気がします。
障害児育児で養育者のメンタルヘルスを保つには?
では、障害児育児において養育者のメンタルヘルスを保つにはどうすれば良いのか…?
1.一時ケアや放課後デイサービスなどを利用する
養育者が出来るだけ1人になる時間や休む時間を確保すること。
お子さんを預けることに罪悪感を感じてしまう方もいらっしゃいますが、罪悪感を感じることは全くないと思います。
むしろ好きなことをしたり好きなものを食べたり買ったりすることは多少は欲求が満たされます。
欲求が満たされる事でまた子供と向き合えることもあります。
2.パートナーの理解を求める
あ、これが出来たら苦労しないのですが…。多分これが出来る家庭は既に出来ているんですよね。実際友人のご主人でモラ夫の方もいて、、、その場合は難しいです。
うちの場合はほんの少しずつですが、息子の事に向き合ってくれるようになってきた気がします。
3.自分のストレスの発散方法を自覚する
自分がどうすることでストレスを発散出来るか?クールダウン出来るか?を自覚しておくことも大事です。
私は人と話すこと、食べること、ビールを飲むこと、美容に関する物を買ったり情報をゲットすることなので、このどれかで発散しています。
コロナ禍でなかなか友人と会えない時期が続きましたが、オンライン飲み会で随分発散出来ました。
4.居場所を作る・周りに助けを求める・辛いと言える場を作る
私はすぐに助けを求めたり友人に愚痴を言ったり出来るタイプなのですが、リアルでなかなかそれが出来ないという方もいます。
友人相談したり愚痴を言えないという方は、TwitterなどのSNSを利用するのも一つです。
同じ境遇の人もいますし共感してくれる人もいます。
とにかく養育者の方も居場所作りが大事です。
障害児育児に一番必要なのは養育者のメンタルヘルス・まとめ
ザーッと偉そうに書いてしまいましたが、こんな単純に一筋縄では行きませんよね。
それでも一番伝えたいのは、お母さんたちも
『自分を大事にして』
ということです。
自分を大事にすると多少はメンタルを保つエネルギーが湧いてくると思います。