めでたく年少さんから認可保育園入園が決まった息子くん。
認可保育園に入園までの道のりについては、こちらの記事でご紹介しています。
では、重度知的障害の自閉症の息子が認可保育園でどんな生活を送ってきたのかをご紹介します。
保護者の方へのカミングアウト
入園式当日、同時期に入園が決まった保護者の方と待ち時間に話す機会があり
「うちの子発達障害なんです。」
という話をサラッとしました。
保育園は送迎時間が皆バラバラですので他の保護者の方と話す機会がなく、それ以降はあまり息子の障害について話すことはなかったのですが、機会があれば話したいと思っていました。
カミングアウトしないデメリットの方が大きいと感じた
カミングアウトについては皆さん悩まれるところだと思いますが、息子の場合全くお喋りが出来ませんし行動も変わっていますので、カミングアウトしないデメリットの方が大きいと思っていました。
以前は息子の障害について話すことを躊躇っていましたが、周りの保護者の方は障害・自閉症について知識がない。話さないと「なんであの子はあんなことするの?」と不信感だけが増し悶々とするだけだと思うのです。
でも、大人なので、話せば分かる。
(あ、中には偏見を持ったり理解を示さない方もいるかもしれませんが…)
大抵は理解を示してくれるのではないかと思います。その理解度が100%である必要はありません。まずは何となく「障害があるのね」程度で良いと。
初めての懇談会でカミングアウト
入園して初めてのクラス懇談会。そこで保護者全員が一言話す機会がありましたので、そこで息子についての障害についてはカミングアウトをしました。
「息子には発達障害があり、お話も出来ず言われていることもあまり理解していません。現在療育に通いながら色々な訓練をしています。何かとご迷惑をおかけする事もあると思いますが、宜しくお願い致します。」
まずはこれだけ。
特にそれについて聞いてくる保護者方はいませんでしたが…まぁ聞きづらいですよね。きっと気を遣うのでしょうね。
その懇談会から数日後、たまたまお迎え時間が一緒になったママさんが
「○○くんは、療育園とか通っているのですか?」と話し掛けてくれたのが何だかとても嬉しくて(;_;)
本当に気さくなママさんが多くて救われました。
専門知識より愛情を持って接してくれるかが重要
加配の先生
息子のクラスは担任の先生が3人。そのうち1人は息子に付いて下さる加配の先生。
完全に1人付くって本当に有難いです。安心しました。
加配の先生は女性で、息子もすぐに懐きました。
保育園の先生方は発達障害に関する専門知識が殆どありません。それでも私と密にコミュニケーションを取ってくれて一生懸命対応して下さっているのが伝わって来ました。
先生達が息子の対応に迷ったことがあるとその都度必ず相談してくれました。
連絡帳でのやり取り
年少さんの頃はほぼ毎日連絡帳でのやり取りがあり、その日の様子を詳細に知らせて下さいました。息子は話せないので有難い限りです。
「今日はこんなことが出来た」「今日はこんな様子でした」
また、こちらの不安を取り除いて下さるようなコメント、今でもその連絡帳を読み返すと涙が出て来ます。
特に印象的だったのがコチラ↓
○○くんの成長が日々発見できて嬉しく思います。今日もたくさんの発見がありました!
●ピアノに合わせての「礼」
●上履き・外靴を下駄箱に片付ける
●カラー帽子を引き出しに片付ける
●パジャマの袋を引き出しに片付ける
●歯ブラシの袋をタオルかけに掛ける
●いつも本を棚から全部出してしまうので「止めて」「片付けて」という声掛けに本を出すのを止めることが出来る
●食器の片付け
など本当に色々なことが出来るようになりました。たくさん褒めてあげて下さいね(*^_^*)
涙涙涙。
本当によく見て頂いていると感謝しかありません。
しかも、この出来るようになったこと、お友達の影響ですよね。毎日のルーティーンとお友達を見て行動出来ている。
先生方も専門知識がないにも関わらず試行錯誤しながら接して下さいました。
療育センターの通園に行かなくて大丈夫だったのか…?という不安が払拭されましたね。
たくさんのサポートをして頂いた
イベントもみんなと同じように
娘の幼稚園に息子の入園についての相談をした際に「発表会などは出られないと思います。」と言われたのと対象的に、保育園では発表会やその他の行事もみんなと同じように参加させてもらいました。
発表会は一人でステージに立つことが出来ず、先生が1人息子に付いて登場しました。息子が登場することでセリフも言えず申し訳ない気持ちになりましたが…。息子がいなければもっと完成度が高かったのかなと。。。
親としては衣装を来て登場するだけでも胸がいっぱいになりましたけど。。。
お泊まり保育はビックイベントでしたので、可能な限りの参加。お泊まりはせず就寝前にお迎えに行きましたが、みんなと一緒に過ごした夜は貴重だったと思います。
保育園で爪切りの練習
年中に上がったときに、園長先生が爪切りの練習を提案して下さったのです。
当時息子はまだ散髪や爪切りとなると発狂。私と主人2人では手に追えませんでした。身体も大きくなっていましたし、1人が押さえて1人が切ることが出来ませんでした。爪が伸びて欠けてしまったこともありましたので本当に有難いご提案でした。
週に1回程、お迎えのときに先生が4〜5人集合して爪切り。
暴れる息子を押さえて私が切る。歌をうたったり、数を数えたり、出来たらシールのご褒美を用意してくれたり…。何だか至れり尽せりで申し訳ない気持ちにもなりました。
お陰様で少しずつ落ち着いて切られるようになり、卒園する頃には自宅で対応出来るようにまでなりました。
涙の卒園式
先生が血まみれに…
卒園式当日…息子が座っていられるのか大きい声を出さないか心配でしたので、もしもの時のためにすぐ避難が出来るよう、入り口から近い席にしてもらいました。私も息子の席から近いところに。
加配の先生がずっと息子に付いて下さったのですが、事件が…( ;∀;)
息子が暇を持て余して先生の「ささくれ」を剥がし始めたのです( ゚д゚)
どんどん剥がすので先生の指から流血し始め…
流石に先生に申し訳ないので「先生、代わります!」と申し出たのですが、
先生は頑なに「大丈夫です!!」と血塗れになりながら見て下さったのです(涙涙)
まるで「今日は卒園式だから任せて!!」と言われているようでした。
加配の先生の涙
1人1人卒園証書を受け取った後に、園児は保護者の席の前に来てコメントを言う流れでした。
息子はどうするのかな。
卒園証書を息子と一緒に受け取って、保護者席の前に来たときに先生が感極まって涙ながらに息子の代弁をしてくれました。
「いつも優しくしてくれてありがとう」
もうこちらは号泣。。。先生の涙と言葉に今までの想いが込み上げて来て感動が増しハンカチ1枚では足りない程涙しました。
保育園に入園できて本当に良かった
悩んで決めた認可保育園の入園。
何が正解かは誰にも分かりませんが、母の直感でその時選択して来たことがきっとベストな結果であると信じています。
発達障害のお子さんの進路については今後節目節目で悩んでいくことになると思います。
もちろん我が家もです。
高校卒業した後のことについては不安しかありません。入ってみないと、やってみないと分からないことはありますが、せめて後悔が無いよう将来に向けて今からリサーチや準備をしていきたいと思っています。