自閉症児のパニック回避には「見通しを立てる」こと

目次

パニックとは

発達障害・自閉症児に多い「パニック」

パニックとは、泣き叫んだり物を投げたり壊したり激しい興奮状態にあることを言います。

パニックを起こす原因

●先が分からない不安

●変化に対しての不安

●予期しないことが突然起こる

●思いが伝わらない、意思疎通ができない

●感覚過敏(急に大きな音が聞こえた、触られた)

などが考えられます。

息子がパニックを起こすとき

●初めての場所や初めての活動

●歯科や耳鼻科などの通院

●急にパパやママが出掛ける

●髪や爪を切られるとき(現在は克服しました)

パニックと癇癪の違いは?

癇癪…思い通りにならない等の不満や怒り

パニック…予測ができない見通しが立たない等の不安からくる混乱状態

パニックを回避するには「見通しを立てる」

そのパニックを回避するのに有効だと言われていることが

「見通しを立てる」ことです。

「見通しを立てる」ことで、本人の不安を緩和したり心の準備をする時間を与えることが出来ます。

①その日のスケジュールを事前に伝える

その日のスケジュールを事前に予告しておくことはとても有効です。

発達障害のお子さんは、耳から入る情報よりも視覚的な情報処理が優位であると言われています。

療育現場ではその日の活動内容をスケジュールボードで提示することが多いです。

途中で変更がある場合も本人が理解しやすい形で伝える

その日の予定や活動も、天候や急なトラブルによって変更になったり、日常には突然のイレギュラーが発生することがあります。

聴覚より視覚優位での情報処理が得意な発達障害のお子さんには、変更になった時点でスケジュールボードを入れ替えるなどをして対応することも有効です。

言葉で伝えてもよく分からず、気付いたら状況が変転しているとなると、またパニックの原因になります。

言葉が理解出来るお子さんには、変更が生じる可能性がある時はそのことを伝えておくことでパニック回避もしくは軽減出来るかもしれません。

「今日はプールの予定だけど、雨が降ったらプールは中止だからね」など。

うちの息子はここまで難しい言葉が理解出来ないので使えない手法ですが、お話が出来るお子さんには試してみて頂きたいです。

②行き先を事前に伝える

発達障害のあるお子さんは、初めて行く場所や初めて行う活動に不安を感じます。

特に病院には強い不安を覚えます。

我が家の場合は、クリニックの外観写真を見せてから向かったり、歯科の場合は歯ブラシを見せて「今日は歯医者さんだよ!」と伝えたりしました。

事前に分かってしまうとパニックになる時間が長くなってしまうのではないかと、病院に行くことを着くまで隠していたりしました。しかしそれが逆効果でした。

事前に「○○クリニックに行くよ」と伝えることで、そこで一瞬泣いたりしますが、着くまでの間に少しずつ心の準備が出来るようで、診察が終わった後のパニック状態は長引かなくなりました。

あとは、本人にとって大きな変化が生じる時などは必ず伝えます。

例えば

●長期休暇明けの登校日は「今日はスクールバスで学校に行くからね」と言ってバスの写真を見せてから登校する

●実家に帰省する際、新幹線の写真を見せて「ジジとババのところに行くよ!」と伝える

③終わりがあるものにタイマー等を使用して予告する

好きな遊びやゲームに夢中になっているとき

次の活動に移らなければいけないとき

物事には終わりがあり「切り替え」が必要です。

しかし、発達障害のお子さんは特に時間の経過についての理解が難しいことがあります。

言葉で「あと10分だよ」と言ってもそのニュアンスが何だかよく分からず言葉で理解が出来ないことが多いのですが、タイマーや指で数を数えることで理解出来ることもあります。

例えば

【好きなオモチャに夢中になっているとき】

①キッチンタイマーを見せて「あと5分だよ!」と伝える

②残り1分の時にまたタイマーを見せて「あと1分ね!」と伝える

③残り10秒の時に「10、9、8…ゼロ〜」とカウントダウンして終了

このように終わりを「予告」して終わりを伝えるようにしていました。

この終わりを伝えることにも「見通しを立てる」ことが大切です。

急に「終わり!」と言ってオモチャを取り上げてしまうとパニックの原因となります。

息子は絵カードよりも写真の「見通し」が有効だった

発達障害の療育でよく使用される「絵カード」ですが、息子には絵カードでの指示や予告が入りませんでした。

どちらかと言うと「実物」か「写真」の方が入りやすかったのです。

最初は写真にすら注視することが出来ませんでしたが、少しずつ写真をジーっと見るようになってきました。

例えば、

●『公園遊び→お昼ご飯』の切替の際にはフォークの写真を見せて誘導

●療育センターのトイレトレーニングの時はオムツやパンツを見せて誘導

●朝家を出る前に保育園の外観の写真を見せる

●車で移動する時は車の写真を見せる

重度知的障害でも言葉掛けをして「見通しを立てる」

最近は言葉の事前予告で「見通しが立つ」ように

まだお話は出来ませんが、最近は言葉の理解が出来るようになってきました。

例えば、

●「パパは今日お出掛けだよ。バイバイね!」

●「今日は病院に行くからね。目の病院だよ。」と目を指差して見せる

●「もうゲームはおしまいだよ!」の声掛けに止めて片付けが出来る

 

このように言葉で伝えるだけで、写真などの視覚ツールを使用せずに概ね状況理解が可能。見通しを立てて心の準備が出来ているようです。

重度知的障害でもツールと一緒に言葉掛けをする

息子の場合、重度知的障害で発語なし。話しかけてもハッキリとした反応がありません。

正直「言っても分からないだろう、理解が出来ないだろう」と思っていました。

ところが、ダメ元で写真を見せたり、事前に伝えることでパニックを回避することが出来るようになってきたのです。

意外と分かっているんだ、聞いているんだ。。。

息子の可能性を引き出せていなかったのは私でした。

反応が薄い自閉症児、しかも重度知的障害となると保護者の方も気が遠くなる程の根気を要しますが、懲りずに視覚ツール(写真や絵カード)+聴覚(言葉掛け)のアプローチで可能性が広がるのではないかと信じています。

目次