発達障害のお子さんにとって悩ましい悩ましい就学問題。
3歳くらいの頃はまだ手帳がB1だったため、何とな〜く地域の支援級に行くのかなぁと思っておりました。
しかし次の手帳の更新でA2に。年少時に通っていた療育センターの先生に相談したところ
「手帳がAのお子さんは養護学校が好ましい」とのことでした。
ところが学区の養護学校はこれまた激戦でA2でも養護学校入学が保証できない。
いやいや、お話が出来ない子が支援級で過ごせる訳がない。。。
地域の小学校「支援級」の様子
地域の小学校には娘が通っていますので、授業参観や行事の際に支援級には何度か見学に行っておりました。
支援級の様子を拝見しておりますと
●普通に会話が出来る
●先生のお話に注目し理解が出来ている
●指示に従うことが出来る
いやぁぁぁぁぁ、息子は無理無理( ;∀;)全部できない。
おそらく知的にも高いお子さんが多い。手帳もB1以上のお子さんばかりでは無いかと推測。
そこで息子が過ごしている姿が全く想像が出来ませんでした。
特別支援教育に関する就学説明会
年長児の保護者対象に、特別な支援を希望する幼児の保護者向けに就学説明会が開催されます。
この説明会は療育センターを受診したことがある全てのお子さんが対象で、
「一般学級」「一般学級+通級指導教室」「個別支援学級」「特別支援学校(養護学校)」というそれぞれの教育の場の説明および就学までの流れについての説明でした。
ですので、個別支援学級を希望する場合と特別支援学校を希望する場合では流れが異なります。
進路の選択については、市の相談センターにて教育相談員などによる相談と心理判定員による発達検査を行い、子供にとって適切な教育の場を判定してもらうことになりますが、判定結果が絶対ではなく最終的には保護者の判断となります。
「支援級」の判定が出ても「普通級」に進学するお子さんもいます。
しかし、逆は難しい。
基本的には「普通級」と判定が出たお子さんは「支援級」や「支援学校」には行くことが出来ません。
公立の特別支援学校(養護学校)を希望する場合の就学に向けての流れ
養護学校希望の場合の流れ(実施時期は目安)
①地域の小学校で校長面談(6月)
②相談支援センターによる相談と発達検査(7月)
③相談支援センターの方が保育園に視察(9月)
④養護学校との面談(10月)
①地域の小学校で校長面談
養護学校を希望の場合でも地域の小学校で校長先生と面談をしなければなりません。
娘が通っている学校ですので、校長先生のことはよく存じ上げておりました。
元々特別支援教育ご出身の先生ですので障害に関する諸事情にも精通されていて、支援級の評判も上々な学校なのです。
さて、面談。
「すみません。養護学校が希望なのですが、面談しなければならないようで来ました…。よろしくお願い致します。」
校長先生はとても気さくな方で、事情にも詳しいので話が早い。
一通り息子についての説明、重度でお話が出来ないので養護学校を希望している旨をお伝えしました。
やはり、支援級には手帳がAのお子さんはいない
「ちなみに…こちらの支援級には手帳がAのお子さんはいらっしゃいますか?」
「個人情報ですので詳しいお話は出来ませんが、Aのお子さんはいませんね」
やっぱりねぇ。。。
みんなお話出来るもん。先生のお話ちゃーんと聞いて理解してるもん。
私「あのー、失礼な言い方ですけど、もし万が一こちらの支援級にこなければ行けなくなった場合は、どうなるのでしょうか…。あ、ウチの子重度なのでやはり養護学校に行かせたいので…」
校長「その時は全力でサポートさせて頂きますから大丈夫ですよ!!」
本当に良い校長先生なのですよ。
支援級でも適応出来る程度だったら行かせたかったのですが…。
②相談支援センターによる相談と発達検査
次のステップとして、市の相談センターにて面談と発達検査
まず集団考査
初めての場所で息子だけ教室になかなか入ることが出来ず結局私も一緒に入りました。
指示に従うことも出来ず、ずっと教室の中を走り回っている…。それで終わりました。
本音を言ってしまいますと…これで良かった。。
養護学校の判定を出してもらうためには、ここで上手いことやられてしまっては養護学校への道が遠退いてしまう。。。
ちなみに他のお子さんは、相談員の方の呼びかけに応答したり(言葉や挙手で)上手に模倣などをしていましたよ^_^
次に発達検査
やはり初めての場所ということもあり、全く落ち着いて出来ず…。普段出来ることもソワソワして出来ませんでした。(それも含めての発達検査ですけどね)
相談員の方と面談
最後に相談員の方と面談を行うのですが、集団考査と発達検査の様子からなのか
「養護学校を強くご希望をいうことですね。上の方にも伝えておきますね!」
なんと、あっさり!
あの落ち着きの無さと適応力の無さはやはり誰が見ても養護判定かな。
ちょっと良い感じの手応え。
③相談支援センターの方が保育園に視察
相談支援センターの担当の方が息子の保育園に視察に行きます。
集団でどのように過ごしているのか観察でしょう。
視察の後に担当の方からお電話がありました。
「息子さんの様子を見てきました。お手洗いも促されるとみんなと一緒に行きますし、給食も落ち着いて食べていました。ただ人混みでパニックになったり拘りが強すぎるところがあるので、今丁寧に対応しないと二次障害が出る恐れがあります。こちらとしても県側に養護学校を推薦したいと思います。」
とのこと。
おぉ、、、よく見て下さった…。さすがです。
④養護学校との面談
10月頃、県立の養護学校と面談を行いました。
これは入学の合否を決める面談ではありませんが(養護学校に決定権はない)この面談で養護学校側が何かしらの判断をするとのことです。。。何を判断するのか分かりませんが…。
面談内容は
●生い立ち
●発達障害(自閉症)と診断されるまでの経緯
●これまでの療育
●息子の問題行動、健康状態・既往歴について
基本的にはこちらが質問に答えるような形でしたが、じっくり聞いて頂けました。
私立の養護学校
この間、私立の養護学校も検討しました。
ただ私立に通うためには課題があります。
①遠い(自宅から公共交通機関を使って約1時間)
養護学校の近くの駅までスクールバスが来ますが、自宅からその駅までの所要時間は30分
スクールバスを使用せずに学校まで送迎をした場合は1時間。
結構な距離な訳です。しかも毎日のこと。
息子を毎日送迎することによって上の娘にも色々と影響がある。(朝一人で残していかなけれなばならない、習い事に連れて行けなくなる)
②近くの放課後デイサービスが利用出来ない
利用について100%無理ではないのですが、遠くの学校まで送迎に行く事が出来ない事業所が殆どです。
また、学校近くのデイサービスを利用したとすると、帰りは保護者が事業所まで迎えに行かなければなりません。
養護学校・私立と県立どちらが良いのか?
県立だから、私立だから、どちらが優れている、ということはないと思います。
例え、私立で素晴らしい教育が受けることが出来ても、アクセスや学費の問題、家庭に負担がかかるようなことがあればそれこそ本末転倒です。
我が家のように娘もいて、息子だけを優先していく訳にはいきません。
どちらも大事な子供ですから。
その子に合った教育は然り、ご家庭としても無理のない選択をするべきだと思います。
県立の養護学校への進学を決意
実は、私立の養護学校も合格、翌日県立の養護学校へも入学が可能と連絡がありました。上述したように、色々な事情を考慮して県立の養護学校への入学を決めました。
●自宅から近い(自転車で20分程度)
●自宅から徒歩15分のところからスクールバスを利用できる
●放課後デイサービスを利用でき殆どの事業所が送迎付き
●見学時、学校の雰囲気と先生たちの対応も好印象。
学校以外の支援者との繋がりも大切
それと、ここ重要ポイントなのですが
放課後デイサービスを見学した際に素敵な事業所との出会いがありました。
障害のある子供にこんなに手厚い支援と愛情を持って接してくれるところがあるんだ…と、衝撃を受けたのです。
デイサービスや一時ケア、ショートステイなど学校以外にも支援の場はたくさんあります。
遠くの私立の学校に行ってしまうと学校のことだけで手一杯になり、他の支援の場との繋がりが希薄になってしまうのでは?という懸念がありました。
様々な出会いにより多くの情報を入手し、保護者自身も常に思考を柔軟にしておくことが大切。
もちろん子供にとってもたくさんの方と触れ合うことにはメリットしかないと思っております。
家庭の事情なども考慮して総合的な判断を
前述しておりますが、我が家には娘がいて息子に比重を置いて生活していくとそれに伴う代償が発生してしまいます。
何事もバランスが大事で、保護者のストレスを増やさないということも重要なポイントであると思います。
という訳で、様々な事情を考慮して総合的に判断していくことがベターであるでしょう。